ブレインダンプでネガティブ思考から脱する
<要旨>
書くという行為はずっと昔から存在しています。日記やエッセイがこれだけ親しまれているのも実は科学的にも感情に良いメリットがあるからなのです。
今回は、“エクスプレッシブ・ライティング”の紹介をしたいと思います。
“エクスプレッシブ・ライティング”とは「こころのライティング」
ジェームズ・W・ペネベーカー(著)/獅々見 照・獅々見 元太郎(訳)
からきています。著者のジェームズ・W・ペネベーカーさんは、テキサス大学の教授で、心理学の研究者です。
<目次>
- ネガティブな感情を克服するのにはライティングが有効?
- ライティングとメンタルヘルスの結びつき?
ネガティブな感情を克服するのにはライティングが有効?
“この本で述べられているこころのライティング(記述)の方法は、
葛藤、ストレス、あるいは苦悩を克服するのに役立つと私は考えています”
この本は、トラウマや何らかのこころの動揺を抱えている人向けに書かれています。
ペネベーカーさん自身が、過去に精神的に打ちのめされた状況から立ち直るために、ライティングを活用して、試行錯誤した経験がこちらのメソッドに盛り込まれています。
“・・・1日15分ずつ、連続して4日間書くように求めました。驚いたことにトラウマについて書いた実験協力者は、実験前の月よりも実験後の月の医者にかかる回数が減ったのです。”
“そして多くの実験協力者は、ライティングで自分の人生が変わったと言いました。
この本では、トラウマやネガティブな感情を克服するために、
トラウマを抱える被験者に実験を行った結果をもとに執筆されています。
結果として、ライティングをした被験者は、トラウマも含めネガティブな感情を克服したそうです。
ライティングとメンタルヘルスの結びつき?
“過去20年以上、何千もの人が実験に参加したことで、ライティングと健康の結びつきがよくわかってきました”
“私はその後ずっと、こころのライティングの謎を解き明かすことに専念しています。”
ペネベーカーさんはその後、心理学の研究者として、ライティングの有用性を研究されています。
私が、この本を読んだときに思った感想は、「ライティング」という手法は、トラウマや何らかのこころの動揺を抱えている人だけでなく、
日々、何らかのストレスを抱えている人にも非常に有効なメソッドだということを感じました。
特に、在宅などで、人とのコミュニケーションが減っている状況で、
是非、自分の感情を言語化するライティングを試してみてはいかがでしょうか。必ずしも紙にペンを使って書き出すという行為でなくてもよいそうです。日々の習慣づけがメンタルを強くしてくれます。